2020年度の本研究は、前年度に続いて、1)共同研究の進捗確認や意思決定を行う全体会、2)研究活動の基礎データとなる資料目録の作成や資料撮影等を実施する資料整理調査会、3)研究成果をプロジェクト内で共有する研究報告会を開催する態勢で開始した。
1)全体会は、オンライン方式で6月、8月、9月、3月に計4回開催し、進捗確認と方針決定等を行った。2020年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う資料保存機関等の長期にわたる臨時休館や入館制限をふまえた対応が必要となり、対面での開催を必要とする2)資料整理調査会の開催を休止せざるを得ない時期が長く続いたが、同感染症の状況を慎重に見定めながら、3月に開催することができた。資料整理調査会では、成田空港空と大地の歴史館が収蔵する小川プロダクション資料等の整理を進めるとともに、重要資料の記録保存を進展させた。
2020年度は、主として前年度までに開催した資料整理調査会で得た資料や知見に基づいた3)研究報告会に特に注力し、オンライン方式での研究報告会を6月、8月、9月、2月、3月に計5回、開催して、研究組織員による個別報告を行うとともに、共同で実施してきた目録作成をはじめとする資料整理調査会の成果共有等をおこなった。これらの成果に基づいて、日本映像学会第46回大会シンポジウム「映像アーカイブの実践と未来」(2020年9月オンライン開催)にて招待報告を行い、3月に学術論文を発表した。そのうえで、2021年2月と同3月の研究報告会は、研究報告書の刊行に向けた個別研究報告を連続で行って研究報告書のアウトラインを定めることができ、2021年度も同様の頻度で研究報告会を定例開催し、成果報告会と研究報告書の刊行を実現していく態勢を整えてきた。