「バムとケロ」シリーズに見る新しい家族の形
松本祐子
島田ゆかの「バムとケロ」シリーズには,白犬バムとかえるのケロのほのぼのとした日常が描かれる。時に友達にもきょうだいにも親子にも見える彼らは、家族ごっこをしているふたりの子どもと捉えることもできる。このシリーズは,家庭生活を描きながら,親子関係を描かない特異な設定を成立させた。義務や責任とは無縁ののどかな家庭生活の風景は,読者にある種の解放感と安らぎを与えるのである。
『聖学院大学論叢』
聖学院大学
第32巻
第2号