[目的]ホームヘルパーが業務中に訪問介護計画書によらず「自分の判断」で行っている援助の内容と理由を明らかにすることを目的とした.[方法]調査対象者には,サービス提供責任者の指示によらず「自分の判断」で援助を行った経験の有無を尋ね,その内容と理由について自由回答を求めた.得られた回答を帰納的に分類し,集計・分析した.[結果]1,348人の回答者のうち46.7%が「自分の判断」で援助を行ったことがあると回答し,回答者が記した援助内容は全体で1,405件,その理由は1,589件であった.ホームヘルパーが「自分の判断」で行った援助の4割は「ホームヘルパーとして不適切な行為」であり,その理由の8割は「情緒的対応」であった.[結論]業務の性格から臨機の対応を必要とする場面のあることを前提に,「情緒的な理由」による「不適切な行為」を生まないような対策の必要性が示唆された.