初期古英語散文の動詞語順に関する通時統語論の展開
日本学術振興会
基盤研究(C)(一般)
小林茂之
英語学関連
5世紀にブリテン島に侵攻したアングロ・サクソン族は,先住民のケルト系民族を辺境地帯に追い払ったとされることから,古英語はケルト語の影響を受けなかったという通説がある.しかし,初期古英語散文には,ゲルマン諸語の標準的 V2 語順からは例外となる多様な語順が存在した.本研究は,古英語成立がアングロ・サクソンのブリテン島侵攻に先立つという最近の仮説に基づいて,多様な語順の原因について調査・分析する.