古英語版『オロシウス』における主節の動詞文末語順の考察
小林茂之
第33回日本中世英語英文学会全国大会
日本中世英語英文学会
立教大学池袋キャンパス
古英語は他のゲルマン諸語と同様に基本的に V2 言語である.古英語の主節の典型的な語順は V2 語順に従っている一方で,動詞文末語順の例が,特に初期の古英語散文に少なからずみられる.どうして古英語散文に動詞文末語順が存在するのかは,議論の余地がある.一つの仮説は,9世紀にアルフレッド王のサークルによってラテン文献の古英語への翻訳事業が行われたために,そのような語順はラテン語の影響から採りいれられた