古英語におけるWipeout Theory (全滅説)と方言の仮説の再考
小林茂之
当研究は,全ての古英語の方言が449年のアングロ・サクソンの侵入による古英語の成立後に分岐したという定説に反論し,初期古英語の標準語と目されてきた古英語のウェセックス方言と他の方言の間の相違について説明することを目的とする.当研究は,最初に,アングロ・サクソン侵入によるイングランドのブリトン人の絶滅を指し示す 「全滅」説 (“wipeout theory”) に反対して論じる.次に,ベーダの『英国
聖学院大学論叢
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