子どもの島 -ルソーのイメージ ―
寺﨑恵子
〈児童〉における総合的人間学の試み研究会
児童学研究会
聖学院大学
「人生の階段」図で、子ども期は始まりの左片隅の段に置かれる。ライフステージの観点から、ルソー『エミール』における子ども観を解明した。彼は、子ども期を5つに分けて各編(livre)に表し、仮構の子どもを登壇させて諸時期の特性を示した。彼の企図は、編という仮構の島に生きる子どもの姿に大人(読者)の子ども観を照射させたことにある。この構成によって『エミール』は、éducation(生を育てる)の内実を論じた。