「話さない者」を教育する:ルソー『エミール』第一編再読
寺崎恵子
日本教育学会第77回大会
日本教育学会
宮城教育大学
ルソー『エミール』は教育の古義「生を養う」を掘り起こした教育論である。第一編では、人生の最初期のありように人間本来の固有の生き方が示された。言語コミュニケーションが人間の生き方である一方で、発達の過程で忘失される前言語期のコトバの原初性への着目があり、潜勢するコトバが読む言葉に甦ることが把握されていた。言葉の重層性と「生を養う」の連関を考察した。