紙芝居における演技
寺﨑恵子
紙芝居作品の型による実演形態の質的な違いは、紙芝居実演(パフォーマンス)のあり方、とくに口演のあり方に及ぶ。実演者の発声や発話は、実演経験における重層的な自己形成によるものである。その重層性ゆえに〈はなし〉と〈かたり〉の、口演の質的な差異が生じる。その様子を、もとは街頭演芸であった紙芝居が教材化する過程に辿った。紙芝居論において紙芝居実演者(教師)の声の身体性が考察されうる。
聖学院大学論叢
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