絵本を読みあう共生態
読みあいの体勢は三項関係に了解されている。その原形は子を抱く姿勢にある。それは、誕生という生の危機をのりこえて生きながらえる人類共通の「保」のかたちであり、教育(éducation)の原義(educare: 営養)に通じる。本論では、国際新教育連盟の要職にあったアンリ・ワロンが母子間の共生(symbiose)における情緒的共鳴とした論考を参照して、読みあいの緊密な共同的関係が共生態にあることを考察した。
聖学院大学論叢
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