ルソーにおける〈遊ぶ子ども〉の局面
寺﨑恵子
ルソーが「子どもの遊びは仕事である」とした子ども期の特有性の真意を遊び文化論史に重ねて考察した。本来の遊びは、子どもと大人の協同参加における生き方の伝承と共同の記憶の場だった。都市化の進展に伴って、遊びは児戯とされた。とはいえ、ルソーの言説では、〈遊ぶ子ども〉は人生を映す心象とされ、遊びは人間の〈生の態(わざ)〉とされた。そこに、文化の本源性が考えられる。
聖学院大学論叢
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