紙芝居の空間
寺﨑恵子
古今の演劇論に教育的作用を説くものがある。本稿は、劇場演劇よりも手軽なミニチュア演劇ともいえる紙芝居に注目し、紙芝居文化史をふまえて、紙芝居空間の構造を解明した。娯楽であった紙人形芝居(立絵)や街頭紙芝居(平絵)は、その媒介性と伝播力ゆえに教育紙芝居や保育紙芝居に応用され発展した。紙芝居空間には異化傾向と同化傾向の相反する傾向があり、その両価的傾向が紙芝居の教材化に作用していると考えられる。
人間発達研究
お茶の水女子大学人間発達研究会
27