『甦る和辻哲郎―人文科学の再生に向けて』
清水 正之
和辻哲郎を倫理学のみならずその思想史的研究から多面的に考察した。長年の和辻哲郎を主題とした研究会活動の成果である。担当分は和辻の倫理思想史という概念と、それが先行する芳賀矢一・村岡典嗣らの日本思想史研究とどのように連関するかを論じた。とくにドイツ文献学と解釈学の先行受容と和辻における継承の意味、そしてそれらが倫理思想史の描き方にどのような形で現れているかを論じた。
ナカニシヤ出版