哲学と日本思想史研究ー和辻哲郎における解釈学と現象学のあいだ
清水正之
近代の哲学的立場の日本思想史研究の成立と諸潮流を構造化するとともに、そのなかでの和辻哲郎の思想史研究の意味を論じた。和辻哲郎の『倫理学』のなかで、彼が現象学に立ち入りながら、あくまでも自己の方法を、解釈学の立場に局限していく志向を分析し、和辻の議論が現象学的他者論に展開しうる可能性とその中絶を指摘、論じた。
日本哲学史研究
京都大学大学院文学研究科日本哲学史研究室
5号