「開くことと閉じること」ー当事者とは誰か・道徳の主体と尊厳
当今の「当事者主義」の流行を、その主張者のひとりである上野千鶴子の言説から、当事者主義は「当事者主権」であることの意味をとりだした。そのうえで、川らの論考をてがかりにこの「当事者主権」のもつ問題点を挙げた。そのうえで、当事者主義も無視できない尊厳の概念との連関を、現代の世界的思想の傾向の変遷のなかにおき、あらためて倫理学、そしてキリスト教思想のなかでの「当事者」という概念をどう考えるかを論じた。
論叢ーキリスト教と諸学
聖学院大学
第35号
1345-2478
日本文化学A演習Ⅱ