児童福祉法における保育所保育の公的責任と措置制度
田澤 薫
日本社会事業史学会日本女子大学
児童福祉法で制度化された保育所は、措置施設であっただけでなく、唯一「一般児童」を対象とし措置がもっとも広く行われる施設であった。ところが保育所は、「措置によらない者」の利用を法制定過程から想定した。その経緯を整理し、「措置によらない者」の意味を法制定前後期から史的に探った先の成果をふまえ、今日の保育制度改正で議論のある保育の公的責任を措置制度の構造的課題とからめて分析した。