書評:松本園子著『証言・戦後改革期の保育運動 民主保育連盟の時代』
田澤 薫
城戸幡太郎らによる戦前期の保育問題研究会(戦前保問研)は、戦中・戦後の空白期間を経て、戦後にあらたな保育問題に取り組む機関として再出発した。戦前にあれほど豊かな実践研究の実績のある戦前保問研で活躍した保育者は、どこでどのような活動を行い、それは戦後の保育問題研究に継受されたのか、断絶したのか。当事者自身の聞き取理調査を駆使したことで事情に踏み込んだ分析が生々しく浮上した本書の特性を評説した。
社会事業史研究45 115-120