保育における「育ち」の支援―戦前期における託児所基準を手がかりとして―
田澤 薫
児童福祉法が児童福祉施設の一つとして保育所を位置づけたとき、「託児」とは異なる「保育」の実施が提唱されたが、国は具体的な保育内容を示すには至らなかった。乳幼児の主体的な育ちを専門的に支援する保育の営みが、いつ、どのようにして保育所保育指針が編まれる以後の保育内容として結実したのか。戦前期の託児所基準の中に、すでに今日の保育内容の萌芽を読み解くことで、保育所保育の実践内容史を整理した。乳幼児の主体的
聖学院論叢26-2