パネルセッション 経営史研究と会計史研究 ―両者の接点を探る― 報告③戦後日本の会計制度の生成過程 -インストラクションと会計実務-
山田 ひとみ
経営史学会 第50回大会
文京学院大学 本郷キャンパス
GHQは財閥解体を積極的におしすすめるために、正確な資料を獲得する手段として、日本の上場企業2,000社以上にインストラクション(以下「指示書」)を配布し英文の財務諸表を提出させた。この「指示書」は、アメリカ的会計制度の導入であったと評価されている。本報告では、日本の国立国会図書館所蔵の「GHQ /SCAP文書」(原資料は米国国立公文書館所蔵)を調査し、先行研究でその存在が判明していた2種類の「指