本研究では,現代青年の友人関係におけるLINEの位置づけを探るべく,調査を実施した。特にLINE利用における自己開示の深さと効用認知という観点に着目した。また,友人関係には複数の類型があるという知見にもとづき,関係を回避しがちな友人関係を持つ青年が,他の類型の青年に比べてLINEでどの程度の自己開示を行っているのかということにも焦点をあてた。大学生(n=302)を対象にWeb調査を行った。友人関係尺度についてのクラスター分析の結果から,現代青年の友人関係のあり方を3群に分割した。LINEにおける自己開示の深さと効用認知について3群の比較を行ったところ,関係回避群は他の群に比べて,深い自己開示がなされておらず,LINEに対しては束縛感や不快感を強く認識していた。これらの結果より,LINEの利用は青年の友人関係における独自のコミュニケーションの場を提供しているわけではなく,オフラインでの友人関係のあり方が反映されたものであるということが示された。