菅原道真と二人の王─『菅家文草』巻六・四五二番詩の「二天」 ─
木下綾子
昌泰2年(899)正月3日,初の朝覲行幸に臨んだ宇多太上天皇と醍醐天皇を賛える「二天」(『菅家文草』巻六・452「賦殿前梅花,応太皇製」)を検討。唐代の睿宗と子の玄宗を中国古代の聖帝,堯と舜に優るとする用例に着目し,これを父・先代の側に比重のかかった,血統を賛美する表現と解釈した。当該詩も同様に,すでに譲位した宇多太上天皇を醍醐天皇に並べる意味をもつと論じた。
文化継承学論集(明治大学大学院)
明治大学大学院文学研究科
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http://ci.nii.ac.jp/naid/120004081018http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12067354