菅原道真と醍醐天皇─『菅家後集』四八二 「九月十日」の帝王像─
木下 綾子
菅原道真が左遷先の大宰府で詠じた『菅家後集』482「九月十日」とそこで回想される前年の昌泰3年(900)重陽後朝宴における醍醐天皇と道真の関係を問題とした。従来の説と異なり,昌泰3年の重陽後朝宴には醍醐天皇の父・宇多法皇が不在で,当該宴が醍醐の主催した最初で最後の重陽後朝宴であることを指摘し,これが道真の醍醐に対する詩教育の集大成であり,好文の王と詩臣という理想の君臣関係の完成した場であると論じた
古代学研究所紀要
明治大学古代学研究所
16
http://ci.nii.ac.jp/naid/40019370635http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12116584http://id.ndl.go.jp/bib/023865170