高齢者の居住形態と社会的孤立の関連を明らかにするために,団地(賃貸/分譲)に暮らしている高齢者と団地以外の集合住宅(賃貸/分譲)に暮らす高齢者,戸建て住宅に暮らす高齢者それぞれの社会関係の実態について分析した.2012年7月,埼玉県和光市において高齢者11,172人を対象とした自記式質問紙調査を実施した.有効回答は8,191票(73.3%)であった.回答者を独居高齢者と同居者のいる高齢者に分けたうえで,居住形態と社会的孤立のクロス集計および孤立しているか否かを従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った.結果,①独居の孤立高齢者は,団地以外の賃貸集合住宅に住んでいる人にとくに多いこと(38.2%),②同居者のいる高齢者の場合は,団地以外の賃貸集合住宅(37.9%)とともに賃貸の団地(36.8%),分譲の団地(35.0%)に住んでいる人に孤立者が多いこと,③他の要因を統制しても,団地か団地以外かにかかわらず賃貸集合住宅に住んでいる人に孤立者が多いことが明らかになった.