本研究の目的は,一人暮らし高齢者の在宅生活の継続における見守りセンサー(赤外線人感センサー)の効果を,見守られる高齢者と見守る地域ケア機関の専門職の両面から検討することであった.対象者は,65歳以上の一人暮らし高齢者80人(介入群:39人,対照群:41人)と,高齢者を担当する専門職32人であった.介入プログラムでは,介入群の自宅に設置した見守りセンサーが検知した対象者の活動量データを,月次レポート等の形式で担当の専門職に提供した.
約1年間にわたる介入の結果,介入群で要介護2以上への悪化抑制と,老研式活動能力指標の下位次元である社会的役割の低下抑制が確認された.専門職では介入群の担当者のほうが,高齢者の外出頻度やトイレの利用状況を把握している割合が高いことが示された.
以上の結果から,見守りセンサーは,一人暮らし高齢者の在宅生活を継続させるための支援策として,有効である可能性が示唆された.