教育的経験と自由 ——実験音楽の演奏に関連して——
「実験音楽」とは、「結果が予知できない」音楽であり、「瞬間の唯一性」を体現する音楽である。作曲家クリスチャン・ウォルフの不確定性の作品は、奏者に多くの問いを投げかけ、予測できない事態を引き受けることを奏者に課す。それはまさに「教育的経験」として作用し、かつ自分の知らないことを行い自分の「外」に出るという「自由」をも呼び起こす。
聖学院大学論叢
聖学院大学
第36巻
第1号