現代社会は,若者を中心に「テレビ離れ」が指摘されている.しかしながら,動画配信サイトやSNSなどのソーシャル・メディアの充実により誰もが簡単に「動画」を視聴できる時代となった.さらにはスマートフォンなどで気軽に「動画」を制作することが可能となった.こうした時代背景の中で,筆者らは,地域の民間企業と連携し,地域密着型の「連続ドラマ」を制作する授業実践を行ってきた.本稿は,2016年度に稚内北星学園大学と民間企業の民学連携により制作された連続ドラマ『エゾガンゾウの咲くまちへ』の取り組みを俯瞰的に検討,考察することを目的としている.その結果,本ドラマ制作では大学と民間企業との連携により,動画制作を通じた地域とのつながりの構築,学生,豊富町住民の双方にとって意識の変容が見られたと推察される.