稚内市立稚内南中学校で誕生した「南中ソーラン」は、1993年に開催された第10回「民謡民舞大賞全国大会」においてグランプリ(内閣総理大臣賞)を獲得した。それ以降「南中ソーラン」は様々なメディアやイベントで取り上げられ、2015年にはミラノ万博で演舞された。今日、「南中ソーラン」は、稚内というローカルから出発し、世界へと発信されている郷土芸能の1つである。 本稿は「南中ソーラン」を「郷土芸能(文化活動)」の1つとして位置づけ、その今日的課題の解決に向けた基礎的な方向性を提示することを目的とする。本稿では、保健体育の「ダンス領域」に留まらず、学校と地域を包摂した「地域づくり」の視点を取り入れた重層的な分析と考察を試みる第1報である。